呼吸

呼吸生理 その5

 

一秒率って?肺活量?閉塞性換気障害?

などなど換気障害について今回はお話したいと思います。

換気障害を話すうえでこの下図は外せませんね。

(頑張って作ってみましたが、思ったより画像が小さいのはなぜでしょう…)

換気障害

換気障害とは酸素を肺胞に取りこめず、二酸化炭素を肺胞から出せない状態を意味します。

呼吸生理その4で書いた肺胞低換気の状態ですね。

参考書では「換気障害とは、換気量の減少に伴い、肺胞と大気中をつなぐガスの移動に障害をきたした状態」というように書かれています。

換気障害は閉塞性換気障害拘束性換気障害の2つに分けられます。

また、それらの2つともの状態を持つものを混合性換気障害といいます。

それぞれの分類は呼吸機能検査で測定できる、1秒率(FEV1)と%肺活量(FVC)に規定されます。

 

1秒率 FEV 1(forced expiratory volume in one second)

1秒率とは、肺活量(VC)における1秒量の割合を表す。

【計算式】
FEV1₁=(FEV₁/FVC)×100〔%〕

正常値は、70%以上です。

空気を目一杯吸い込み、吐き出す最初の1秒を測定しています。

健常であればその1秒で肺活量の70%は吐くことができますが、気管支や気道に障害があると吐き出す量も少なくなし、パーセンテージが低くなります。

1秒率が低下するものを閉塞性換気障害となります。

%肺活量 FVC(forced vital capacity)または%VC

肺活量は身長と年齢から求められる予測肺活量に対して、実測肺活量が何%程度あるかというものです。(肺活量が基準値の何%あるかというもの)

正常値は、80%以上です。

【計算式】
%VC=(実測VC/予測VC)×100〔%〕

1回換気量(1回の呼吸で肺に取り入れられる空気量)と吸気予備量(最大限に息を吸い込んだ時、正常吸入量以外の空気量)と呼気予備量の総量です。

これらの基準が80%以下の時、拘束性換気障害と呼びます。

 

呼吸機能検査は術前で必ず行われていますので、情報収集をしてみてください。

 

閉塞性換気障害

閉塞性換気障害は1秒率の低下した状態でしたね。

代表的な疾患としては気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が挙げられます。

閉塞性換気障害は気道の狭窄や閉塞と原因とします。

COPDを例に出すと、たばこなどで肺胞壁が壊されそれにより肺気腫ができます。

健常人が息を吐くとき、肋間筋の助けだけではなく肺の縮もうとする力(弾性収縮力)も利用されています。そして、細気管支自体も弾性収縮力によってつぶれないでいることで息を吐き出しています。

COPDで肺気腫ができることで健康な肺は少なくなり、肺の弾性収縮力が低下します。

また、細気管支もつぶれてしまい細くなってしまいます。

吐き出しずらい要因が重なり、呼気の延長を認める結果となってしまいます。

 

拘束性換気障害

肺活量が低下する拘束性換気障害は、肺線維症や重症筋無力症などがあります。

肺の弾性収縮力の低下や肺容量の減少(肺の手術や無気肺)、胸郭、胸膜病変、胸郭の変形、浮腫が原因で肺活量の低下をきたします。

混合性換気障害

閉塞性換気障害と拘束性換気障害の両者の状態ですね。

あとは、高度なCOPDも混合性換気障害となります。

 

最後に

COPDは既往歴として、よく見かける疾患であると思います。

一言にCOPDといっても、状態は人それぞれであります。

呼吸機能検査結果を知ることで何に注意するか気づくことができると思うので

呼吸機能検査を見る習慣をつけてくれたら嬉しいなと思います。

換気障害を話すうえで、A-aDO2の話もしたかったのですが…長くなりそうなのでまたどこかの機会で伝えられたらと考えています。

 

ひとまず呼吸生理はここまでです。

また私自身勉強し直した際、足りない部分はまた追加していこうと思います。

次はABG、動脈血ガスの分析について書いていきましょうかね。

ご覧いただき、ありがとうございました!


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